貧乏な主婦
夫に読んでもらったその小説は、とっても貧乏な主婦のお話なのだった。 貧乏のせいで、性格が著しく歪んでいるトモコという女性の話だった。 彼女は、買い物ができなかった。 スーパーに行っても、満足にものが買えず、 何かを買うと、買ったことにたいして激しい罪悪感にさいなまれるという心の闇を抱えている極端なキャラクターに設定して書いた、10枚ほどの短い話だった。 ラストあたりで、トモコは、、清算の列を待っている間にあれこれ思い悩んだ結果、発作が起きて、 発作に苦しみながら、かごから品物を元にあった場所にみんな戻して、逃げるようにスーパーを出ていくのだ。 なにも買わずに済ますことができれば、発作はウソのようにおさまる。 あたりは、すっかり夕暮れで、ふと気がつくと、カラスがあほーーあほーーと鳴いていた。というようなところでおしまい。だったと思う。 今思えば、我ながら実にくだらない話だった。でも記念すべき、結婚後第1作であることだけは確かだった。